変形性膝関節症ってどんな病気?
膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形を生じて、痛みなどが起こる病気です。
正常の膝関節では関節の表面は軟骨で覆われています。弾力性に富んだ組織からなる軟骨は、衝撃を和らげたり、関節の動きを滑らかにしたりしています。 また、滑膜から分泌される関節液は軟骨の成分の1つであるヒアルロン酸を含んだ粘りのある液体で、膝関節がスムースに動く潤滑油と軟骨の栄養の役割を果たしています。
初期の変形性膝関節症では、軽度の関節軟骨の磨耗が生じますが自覚的な症状はほとんどありません。
軟骨の磨耗がある程度すすむと(中期)、膝の曲げ伸ばしや立ち上がり、歩行時の膝にかかる負担の増加および軟骨、半月板の変性による刺激により関節炎が生じます。
関節炎では、膝を曲げ伸ばししたときの痛み(動作時痛)や曲げ伸ばしの制限(可動域制限:かどういきせいげん)が生じます。また、関節液が多量に分泌されて関節に「みず」がたまること(関節水腫:かんせつすいしゅ)もありますが、関節内のヒアルロン酸は逆に減少します。
進行期の変形性膝関節症では、軟骨の磨耗がさらに進み関節の土台の骨(軟骨下骨:なんこつかこつ)が露出したり骨棘(こつきょく)といった骨そのものの変形が生じたりします。
この状態では、膝を動かしたり立って歩いたりするたびに硬い骨同士が直接ぶつかり合うため強い痛みを生じ、曲げ伸ばしの制限も高度となり日常生活において大きな障害となります。
変形性膝関節症になりやすい人
変形性膝関節症の頻度
変形性膝関節症は年齢とともに増加します。一般の人を対象にした疫学調査では、60歳以上で女性の約40%、男性の約20%がレントゲン上、変形性膝関節症と診断されます。さらに、この割合は80歳代では女性で60%以上、男性でも50%近くに達します。そして、レントゲン上で変形性膝関節症の所見がある人のうち約20%に膝の痛みや腫れなどの自覚症状が見られます。また、どの年代でも女性の割合が男性に比べて1.5~2倍多くなっています。
O脚で肥満傾向の女性は要注意
変形性膝関節症の発症・悪化要因について多くの研究が行われています。これまでのところ女性、肥満、O脚については変形性膝関節症との関係があると言われています。特に日本人ではもともとO脚の傾向があり、膝の内側により負担がかかりやすくなるため、日本人の変形性膝関節症はその90%ちかくが膝の内側により強い変形が見られます。
変形性膝関節症にはどんな症状が見られるの?
膝を動かしたときに痛みが起こる(動作時痛)
日常生活で膝を動かしているときに痛みを感じます。とくに立ち上がりや歩行時、階段昇降時など膝に体重がかかるときに多く見られます。
膝の曲げ伸ばしがつらくなる(可動域制限)
膝の曲げ伸ばしの制限が生じます。日常生活では膝をピンと伸ばして立つことや正座、しゃがみといった動作がしづらくなります。
膝に水が溜まる (関節水腫)
関節炎により多量に産生された関節液が膝関節のなかに貯留した状態です。中等度以上の関節水腫は関節炎の鎮静化や軟骨の栄養に悪影響を与えるため、関節の外へ排出する必要があります。
【注意!】
変形性膝関節症では安静時や夜間に強い痛みを生ずることは稀です。膝を動かさないときでもずきずき痛む場合や赤くはれて熱を持っているような場合、さらに関節の引っかかり感や不安定感などの症状を伴っている場合には変形性膝関節症以外の病気も考える必要があります。
変形性膝関節症の診断
変形性膝関節症の診断は、次の手順で行われることが一般的です。
問診
いつごろからどんな症状があるのか、現在何が1番困るのか、これまでに膝のけがの経験があるかなどを聞きます。
自分の症状や状態を的確に伝えるために、医師にかかる前に整理しておくことをおすすめします。
視診・触診
膝関節の曲げ伸ばしの具合、痛みの部位、腫脹、熱感の有無、関節の安定性をみます。さらに、下肢全体のかたちや歩く様子、筋肉の萎縮の状態などもみます。
レントゲン検査
レントゲン写真膝関節を構成する3つの骨(大腿骨、脛骨、膝蓋骨)の形や変形の程度を観察します。また、関節の隙間の開き具合から軟骨の磨耗の程度も推定します。変形性膝関節症の診断と病期(びょうき:進行の程度)はこのレントゲン検査より判断します。
変形性膝関節症の検査
場合によっては、次のような検査が行われます。
血液検査・関節液検査
膝が痛む原因にほかの病気が考えられる場合などに行われます。これにより、関節リウマチなどと鑑別することができます。
MRI検査
MRI画像磁気を用いて膝の内部を映し出して、コンピューターで画像を作る検査です。レントゲンのように骨だけでなく、軟骨、靭帯、筋肉なども詳しくみることができます。










